アウディ、新A8/A7にレベル3の自動運転機能を搭載するも封印

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アウディ ジャパン(本社:東京都品川区、代表取締役:フィリップ ノアック)は9月5日、アウディのフラッグシップセダンで8年振りフルモデルチェンジとなったAudi A8、並びに7年振りに刷新したプレミアム4ドアクーペA7を都内にて発表した。

このうちA8は10月15日(月)から、そしてA7は9月6日(木)より、全国のアウディ正規販売店(126店舗)を通じて販売が開始される。

個別にはまずAudi A8は、アウディスペースフレーム(ASF)、高効率直噴エンジン、アダプティブエアサスペンション、前後不等分トルク配分のquattro(フルタイム4WD)、フルLEDヘッドライト、最先端のドライバーアシスタンスシステムに加え、新世代のMMIインフォテイメントを採用。

相変わらずアウディの技術的ショーケースとしての役割を担って登場した。これは今回発表された新型Audi A7 Sportbackも同様で、インテリアには最新のデジタル技術とタッチディスプレイを全面的に採用したMMIタッチレスポンスを搭載。先のA8も含め、量産車として世界初の搭載事例となるレーザースキャナー(フロント:1基)を始め、ミリ波レーダー、カメラセンサー、超音波センサーを合わせて最大23ものセンサーを搭載。これらの統合制御による高度な運転支援システムが実現されている。

これらを有り体に云えば、この新たなアウディのフラッグシップは、レベル3を望む自動運転関連技術が搭載されているのだという。

搭載された最新鋭の運転サポート機能は数多く、見通しの悪い交差点でのフロントクロストラフィックアシストや、全方位からの事故について予防し、被害を軽減するプレセンス360、従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)、アクティブレーンアシスト(ALA)、トラフィックジャムアシストの3つの機能を統合したアダプティブドライブアシスト(ADA)などがこれでもかと満載。

夜間に於いても、HDマトリクスLEDで広い照射範囲を得ているだけでなく、車両前方を監視するセンサーからの情報を用いて、32個のLEDを個別に点灯制御。前走車及び対向車のドライバーを眩惑することなく、最大限の照射範囲を実現した。

搭載されるパワーユニットは、250kW/340ps の3.0ℓV型6気筒直噴ターボ(Audi A8 55 TFSI quattro)と、338kW/460ps の4.0ℓV型8気筒直噴ツインターボ(Audi A8 60 TFSI quattro)の2種類のガソリンエンジンが用意された。

これらは軽量アルミ合金クランクケース、90度のVバンク角、バンク内ターボチャージャーなど、多くの技術を共有するモジュラー型の高効率エンジンであるだけでなく、48V電装シスムを主電源とするマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載したことで、3ℓで先代比+22kW/60Nm、4ℓで18kW/60Nmの強化を果たした一方、燃費は55TFSI quattroで10.5km/ℓ、60 TFSI quattroで8.7km/ℓ(数値はともにJC08モード)を実現した。

この前出のマイルドハイブリッドドライブシステムは、48Vリチウムイオンバッテリーと、クランク軸にベルトを介して連結されるBAS(ベルト オルタネーター スターター)を中核技術に据えて燃費を改善する。この48Vもの高電圧が最大12kWのエネルギー回収効率を実現した。

足回りでは四輪のダイナミック操舵がオプション設定され、65km/h以下ではリヤタイヤはフロントと逆方向に最大5度まで電子制御により操舵されることで、都市部での取り回しが大きく改善したとしている。

インテリアも拡大され、10.1インチの上部のタッチ式スクリーンに加え、8.6インチの下段スクリーンを搭載。これにより多くのボタンがタッチ式スクリーンに変更されている。

ボディサイズはA8が全長5170mm、全幅1945mm、全高1470mm、そしてホイールベースは3000mm(Audi A8 Lは全長、ホイールベースともに+130mm)。車重はAudi A8 55 TFSI quattroで2040kgに収まる。トランク容量は505ℓ(VDA法)である。

対してA7は4,970mmの全長、2,925mmのホイールベース、1,910mmの全幅、それらに対して低めに設定された1,415mmの全高となっている。

気になる価格は、Audi A7 Sportback 55 TFSI quattro debut packageが9,880,000円、Audi A7 Sportback 55 TFSI quattro S-lineが10,660,000円。

さらにエクステンデッドレザーのインテリア、バング&オルフセンサウンドシステム、ダイナミックオールホイールステアリング(四輪操舵システム)、ダンピングコントロールサスペンションなどのハイグレードな装備を満載した2種類の限定車、Audi A7 Sportback 55 TFSI quattro 1st editionとAudi A7 Sportback 55 TFSI quattro S-line 1st editionをそれぞれ10,580,000円(税込)、11,610,000円(税込)で、合計250台が発売される。さらにA8に関しては以下の通り。

ただこれだけの最新装備を搭載し、一般市販車として初のレベル3を望む自動運転関連技術の搭載車であるにも関わらず、その機能をフルに発揮するために試作車でビルトインされていたレベル3機能を発揮するための操作ボタンは、あえて取り外して封印された。

この有りようについて、アウディ・ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏の他、独・アウディAGから来日したエクステリアデザイナーのアマール・ファヤ氏など、車両の魅力を語るべき主要な面々は、「各国の実情に合わせ、搭載機能をフルに発揮させる環境は選ばれなければならない」とし、「各国行政府の動きと連携して、自社の技術を徐々に披露していきたい」と語っていた。

確かに日本国内に於いては、行政側の硬直感が高く、とても実導入が望めない環境である。ただそれでも数年前にテスラが日本国内の規制を枠を押しのけて、初の自動運転機能の一部を日本国内にデビューさせることに成功している。

そうして意味で、同社については、以前のテスラに匹敵する強い積極性が欲しかったし、それはひとつはこうした車両を市場投入するにあたって、インフラの一翼を担う新たな保険商品の開発などもあったろう。

また今後は国内行政についても、軽々に規制解禁とは行かないだろうが、過密な渋滞時や限られた環境下に限った上での自動運転機能の一部解禁など、社会環境を慎重に見極めながら、国内技術の後押しという部分も含めて、世界各国に遅れることのない技術育成の道筋を描いて欲しいと切に願いたい。