アウディQ7「ディープラーニングコンセプト」が、CES2017で優れた機械学習能力を披露


アウディ、人工知能を用いた自動運転技術でエレクトロニクス業界のリーダー達と連携

昨今の自動運転技術に於いて「人工知能(AI)」の存在が要となるなか、アウディAG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)は、エレクトロニクス業界のパートナーと連携して機械学習領域のノウハウを育んできた。

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そして今回、ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー(CES2017)で、NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼 CEO:ジェンスン・フアン)との協力体制の基、自動運転実験車である「Audi Q7 deep learning concept(ディープ ラーニング コンセプト)」を一般公開した。

アウディは、CES会場で「NVIDIA」のプレスカンファレンスに呼応する形で、自動運転用に特別に設営された仮設エリア内に於いて、人工知能を搭載した「Audi Q7 deep learning concept」のデモンストレーション走行を実施した。

米国・NVIDIAの社長兼 CEO、ジェンスン・フアン氏

このクルマは、解像度2メガピクセルのフロントカメラの助けにより、進行方向を自らで判断し、NVIDIA製PX 2プロセッシングユニットが、そのカメラから常時送られてくるデータを分析して、ステアリング操作を制御する。

ちなみに、このクルマに搭載された高性能コントローラーは、自動運転用に特別に開発されたものである。

ソフトウェアの中核を成すディープニューラルネットワーク(深層神経回路網)は、アウディ及びNVIDIAの専門家から自動運転用の特別な学習により、切り替わる交通標識/信号も正確に認識する。

ちなみに当地に於けるデモンストレーションは、人が運転するところから始まるが、その段階でAudi Q7 deep learning conceptは、ルートと周囲の状況のみの限られた情報しか持っていない。

このため、自動走行時に頼るのはクルマ自身による周辺の観察と、追加の学習用カメラからの情報となる。
それゆえ得られる他の情報も可能な限り有効に活用するべく、ドライバーの反応と、カメラにより検知された事象結果との相関性も学習していく。

デモ走行時にコンセプトカーは、そうした暫定的なシグナル含めて、交通に関する指示・状況を刻一刻と読み取り、正しく解釈して、求められた通りの行動を取っていく。

仮に正常ではないシグナルを得た場合には、即座に運転ストラテジーを変更し、ショートコースもしくはロングコースを選ぶところから再スタートする。

ここに至るまでに組み上げられたシステムの信頼性は高く、天候や明るさの変化当の移り変わる周辺環境にも対応し、昼夜を問わず、また直射日光や強い人工照明に晒されても誤作動を起こすことはない。

基本的に、このAudi Q7 deep learning conceptで採用されている学習メソッドは、ディープレインフォースメントラーニング(深層強化学習)に近いものとなっている。

このメソッドは、昨年12月にバルセロナで開催されたAIイベント「神経情報処理システム(NIPS)に関する会議とワークショップ」で、アウディが行った発表の基本となる原理である。

ここでは、人間の脳に似たニューラルネットワーク(神経回路網)が、特定の目的や用途のために学習を行う。

先に当媒体の記事でも紹介したNIPSの8分の1スケールモデルは、トライ&エラーを重ねてパーキングの方法を学習したが、Audi Q7 deep learning conceptは、トレーニング走行の間に有効と思われる行動の精密なデータを集め始める。言わば、ドライバーからクルマが正常な運転とは何かを学んでいくのである。

こうした人工知能の振る舞いは、自動運転にとって未来を切り拓くための要となるテクノロジーである。そのため、アウディはこの分野で、エレクトロニクス業界の有力企業と緊密な協力関係を構築してきた。

アウディは、それらのパートナー企業と共に、機械学習のための様々なアプローチやメソッドを評価。

走行中、検討可能な次の動作に関して、常に最適なメソッドを見つけ出すことを目指す。そしてこの取り組みは、未来の自動車産業や量産モデルの誕生にとって大きな価値を生む。

この分野でNVIDIAは、システム開発に於ける専門能力により半導体業界では世界最大かつ最も有能なプレーヤーと考えられている。アウディはそんな同社と2005年からNVIDIAと協力関係を育んできた。

その切っ掛けとなったAudi A4が、NVIDIAのコンピューターチップを使い始めたのは2007年から。その2年後にはNVIDIAのテクノロジーにより、Audi A8のビジュアルディスプレイに大きな革新がもたらされた。

そして2013年に導入されたモジュラーインフォテイメントプラットフォーム(MIB)には、NVIDIA製のTegra 2プロセッサーを搭載。さらに、2015年にAudi Q7とともにデビューしたMIB2では、NVIDIA T30プロセッサーを採用している。

こうしたIoTに関わるプラットフォーム環境の変遷は、今年発売予定の新型Audi A8で、MIB2+へとさらなる進化を遂げる。

そこで中核となるのは、NVIDIA製のTegra K1プロセッサーで、第2世代のアウディバーチャルコクピットを含めて複数の高解像度ディスプレイを同時に作動することができる強力な処理能力が得られる。

そしてオンボードとオンラインの情報が融合することにより、クルマはかつてないレベルでクラウドネットワークと一体となって機能するようになるのである。

そうしたなかで新型Audi A8ではMIB2+と共に、セントラルドライバーアシスタンス コントローラー(zFAS)がデビューを飾る。また、NVIDIA製KIプロセッサーも搭載され、将来的にはX1プロセッサーの採用も計画されている。

こうした背景を基にアウディとNVIDIAは、AIアプリケーションにおけるNVIDIAの高度なノウハウと、自動運転分野におけるアウディの豊かな経験を組み合わせ、長年続いてきた両社の協力関係をさらに強固なものにしていきたい考えだ。

加えて自動運転分野におけるアウディのもうひとつの重要なパートナーが、Mobileye(モービルアイ)である。

zFASには、モービルアイ製画像処理チップが内蔵されている。自動車用画像認識技術の分野で世界をリードするモービルアイは、イスラエルに本拠を置くハイテク企業で、同社のカメラは複数のアウディモデル(Audi Q7、A4/A5シリーズ、新型Q5)にすでに搭載されている。

同社のカメラに搭載された画像処理ソフトウェアは、路面のマーキング、車両、交通標識、歩行者など、数多くのものを認識することができる。

実は驚くべき事に、これまで対象物が何であるかを特定するために、その対象物のどの特徴を目安にするかは、システムやソフトウエアが判断するのでなく、開発者の個人の感覚・個別の判断に頼ってきた。

しかしアウディとモービルアイは、新型Audi A8の画像認識システムに、ディープラーニングのメソッドを初導入し、自動運転車開発に於ける新たなステージを提示した。

その結果、開発過程における手作業での学習メソッドの必要性が大幅に削減され、ディープニューラルネットワークを駆使し、「対象物が何かを特定する」、「どの特徴を目安にするのが適切なのか」、それは真に「有効であるのか」などをシステムが自己学習できるようになった。

この方法論を用いることで、安全な自動運転を実現する上で重要な前提条件となる、空いた走行スペースでさえも自動認識できるのである。

なお、直近の市販車両となる新型Audi A8では、トラフィックジャムパイロット機能が初採用されている。これは一定の条件下に於いてドライバーがクルマにすべての運転操作を委ねることができる実力を持つ。

今後、自動運転の技術水準は、さらに高度なものとなり、いずれは適用可能な運転状況や範囲も拡大されていくてだろうと、同社では語っている。



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