デンソーと豊田通商、有機EL量産のJOLED社に出資

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トヨタ車を筆頭に車載向けディスプレイの開発を加速し、未来のコックピット環境の実現へ動く

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二)と豊田通商株式会社(本社:愛知県名古屋市、取締役社長:加留部淳)は共にJOLED(ジェイオーレッド)の第三者割当増資の一部を引き受け同社に出資した。出資額はデンソーが300億円。豊田通商が100億円となる。

このJOLED(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:石橋義)は、産業革新機構主導でジャパンディスプレイ(JDI)、ソニー、パナソニックの有機EL事業を統合して設立された会社。

資本金は237億2,500万円(2017年4月1日現在)で、従業員数 約260名。これまでの主要株主比率は、株式会社産業革新機構(75%)、株式会社ジャパンディスプレイ(15%)、ソニー株式会社(5%)、株式会社パナソニック(5%)であった。

同社は、産業革新機構主導で2015年1月にJOLEDが発足す。2015年1月5日に事業を開始し、2017年5月17日、東京都内で技術展示会を開いて低コストの「印刷方式」で生産した有機ELパネルを初披露した。

現在も鋭意、同方式による安価な量産製品と早期の事業化を目指しており、2018年になってからASUSやソニーに21.6型の医療用ディスプレイ提供など計画が進んでいた。

一方、デンソーは車両情報をドライバーに素早く、正確に伝える表示系製品として、自動車用メーターやカーナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイなど、様々なHMI(Human Machine Interface)製品の開発を行ってきた。

しかしこれらのHMI製品は、必要な情報を適切に伝えるため、主にTFT液晶ディスプレイを用いてきたのだが、車両がドライバーに伝えるべき情報は年々増加の一途を辿っている。このためHMI製品以上に美しく、大きく、分かりやすく情報を表示する手段が求められている。

この点で有機ELディスプレイは、従来のTFT液晶ディスプレイに比べ、高画質で発色が良く、また薄型、軽量で曲面化が容易なため、HMI製品の視認性や意匠性、搭載性を飛躍的に向上させることが可能になる。

そこでデンソーは、量産型有機ELディスプレイの製品化を進めるJOLED社への出資を決めた。

有機ELディスプレイの基本素子の部分を印刷方式によって製造する方法は、他の生産方式に比べて生産工程がシンプルであることから、多様な画面サイズのディスプレイの量産が可能になると見込まれている。

JOLED社の量産有機ELディスプレイに関わる直近の活動では、2016年にパイロットラインを導入。世界初の印刷方式有機ELディスプレイの量産ラインを構築し、2020年に量産を開始する計画だ。

今回の出資により、デンソーがHMI製品の開発で培った技術やノウハウを提供。これにJOLED社の持つ印刷方式による生産技術を融合。メーターやセンターディスプレイなど多様な有機ELディスプレイの開発・量産化を加速させ、より魅力的で利便性の高いコックピット環境の早期実現を目指すとしている。

これに対して100億円を出資した豊田通商は、電子デバイス分野で「技術・品質・機能」に強みを持つエレクトロニクス商社である株式会社ネクスティ エレクトロニクスや、電子部品・電子材料を取り扱うエレマテック株式会社などのグループ会社を有している。

このことからシンプルな構造、薄型・軽量という特徴を持つ有機ELディスプレイの強みを背景に利活用分野をあえて限定せず、様々な幅広い分野を前提に「新しい市場」を創造して最大限利用環境を広げていくと云う。

具体的には、一般的な液晶ディスプレイでは必要とれる背面光源のバックライトが有機ELディスプレイでは不要で、プラスチック基板を用いることで曲げることが充分可能となりことから、車載向けだけでなく。あえて多様な用途への活用に活路を見いだしている様子だ。

JOLED社の概要 (7月1日現在)
1.社名:株式会社JOLED(ジェイオーレッド)
2.会社設立:2015年1月
3.所在地:東京都千代田区神田錦町3-23
メットライフ神田錦町ビル10階
4.資本金:609億1,250万円
5.社長:石橋 義 (いしばし ただし)
6.従業員数:437名
7.事業内容:
有機ELディスプレイパネルならびにその部品、材料、製造装置および関連製品の研究、開発、製造および販売