国土交通省、電気二輪自動車等の乗車人員を感電から保護する基準等の新設

Tweet
このエントリーをはてなブックマークに追加

国土交通省・自動車局では、自動車の安全基準について、国際的な整合を図り自動車の安全等を確保するため、電気二輪自動車等における乗車人員の感電保護基準を新設するとともに、国際基準の国内採用を進めるため等、以下のとおり道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)等を改正し、1月20日公布、施行した。

(1)電気二輪自動車等における乗車人員の感電保護基準の新設(国際基準)。
(2)四輪自動車の電柱などの側面衝突時の乗員保護基準の改正(国際基準)。
(3)原動機付自転車の後部反射器に国際基準を採用(国際基準)。
(4)警音器の最低音量を93dBから87dBに変更(国際基準)。
(5)乗車定員11人以上の自動車(バス)に専ら車いす利用者が乗降することを目的として追加的に備える乗降口については有効高さの要件を非適用。
(6)二階建てバスの二階客室の座席における前向き要件の廃止。

以下は、道路運送車両の保安基準、装置型式指定規則、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正についての詳細

1.背景
自動車の安全基準について、国際的な整合性を図り自動車の安全等を確保するため、我が国は国際連合の「車両等の型式認定相互承認協定」(以下「相互承認協定」という。)に平成 10 年に加入し、現在、相互承認協定に基づく規則(以下「協定規則」という。)について段階的に採用を進めていく。

今般、協定規則のうち、新たに「バッテリー式電気二輪自動車に係る協定規則(第 136号)」を採用。

また、既に日本が採用している「ポール側面衝突時の乗員保護に係る協定規則 (第 135 号)」等の改訂が、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第 166 回会合において採択された。

これを受けて、道路運送車両の保安基準(昭和 26 年運輸省令第 67 号。以下「保安基準」という。)、装置型式指定規則(平成 10 年運輸省令第 66 号)、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(平成 14 年国土交通省告示第 619 号。以下「細目告示」という。)等について、所要の改正を行う。

2.改正概要
(1)保安基準等の改正
電気装置(保安基準第 17 条の 2、細目告示第 21 条、第 99 条、第 177 条関係)「バッテリー式電気二輪自動車に係る協定規則(第 136 号)」の採用に伴い、以下の基準を新設。

【適用範囲】
○ 電力により作動する原動機を有する二輪自動車、側車付二輪自動車及び三輪自動車。

【改正概要】
○ 「バッテリー式電気二輪自動車に係る協定規則(第 136 号)」の技術的要件に適合することを義務付ける。

1.感電保護要件
・車両通常使用時において車両全領域で高電圧部分との直接接触による感電保護要件(保護等級 IPXXD※1を満足すること等)に適合すること。※1 保護等級 IPXXD:針金(直径 1.0mm 長さ 100mm)クラスで接触なきこと。

establishment-of-standards-to-protect-the-ministry-of-land-infrastructure-and-transport-the-ride-personnel-such-as-an-electric-two-wheeled-vehicle-from-electric-shock20160123-1

2.駆動用バッテリーの要件
・転倒時等に充電式エネルギー貯蔵システム(REESS:Rechargeable Electrical Energy Storage System)の電解液漏れ及び車両からの脱落がないこと。
・REESS に対して以下の試験を行い、電解液漏れ、発火及び爆発がないこと。
●耐振動性試験
●耐熱性試験
●耐衝撃性試験
●電池落下試験(着脱式 REESS を備えるものに限る。)
●耐火性試験(車室を有するものに限る。)
●外部短絡保護試験
●過充電保護試験
●過昇温保護試験
●エミッション(開放式 REESS の場合の水素ガス放出量)試験。

3.機能安全要件
・充電コード接続状態で発進、走行しないこと。
・運転者がモーターの始動時から走行可能状態とする操作は二段階以上とすること。
・走行時において一定レベル以上の①自動的なパワー減少REESS 充電量低下によるパワー減少が発生したことを表示する装置を備えること。

establishment-of-standards-to-protect-the-ministry-of-land-infrastructure-and-transport-the-ride-personnel-such-as-an-electric-two-wheeled-vehicle-from-electric-shock20160123-2

【適用時期】
新型車:平成 30 年 1 月 20 日
継続生産車又は電力により作動する原動機を有する自動車に改造等するもの:平成 32 年 1 月 20 日

車枠及び車体(保安基準第 18 条、細目告示第 22 条、第 100 条、第 178 条関係)「ポール側面衝突時の乗員保護に係る協定規則(第 135 号)」の改訂に伴い、以下のとおり改正する。

【適用範囲】
○ 車両総重量 3.5 トン以下の乗用自動車(乗車定員 10 人以上のもの、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに被牽引自動車を除く)。
○ 車両総重量 3.5 トン以下の貨物自動車であって以下の自動車
・前車軸中心から運転者席への角度(α)が 22.0°より小さいもの(図 1)。
・運転者席から後車軸中心までの距離(B)と運転者席から前車軸中心までの距離(A)の比が 1.30 より小さいもの(図 2)。

establishment-of-standards-to-protect-the-ministry-of-land-infrastructure-and-transport-the-ride-personnel-such-as-an-electric-two-wheeled-vehicle-from-electric-shock20160123-3
【改正概要】
○ 車幅 1.5m 以下の自動車の衝突速度を 26km/h から 32km/h に引き上げる。(図3)

establishment-of-standards-to-protect-the-ministry-of-land-infrastructure-and-transport-the-ride-personnel-such-as-an-electric-two-wheeled-vehicle-from-electric-shock20160123-4

【適用時期】
新型車:平成 35 年 1 月 20 日
原動機付自転車の後部反射器(細目告示第 248 条関係)
○ 原動機付自転車に備える後部反射器に「後部反射器に係る協定規則(第 3 号)」の要件を適用する。

【適用時期】
新型車及び継続生産車:平成 32 年 6 月 15 日
その他
○ 乗車定員 11 人以上の自動車に備える乗降口は原則有効高さ 1600mm 以上とされているところ。今般、専ら車いす利用者が乗降することを目的として追加的に設けられる乗降口は、当該要件を適用しない。
○ 警音器について、道路の騒音環境の変化から音量の最小値を 93dB から 87dB に改正する。また、車載バッテリーでの音量計測時に試験電圧に達しない場合の試験方法を追加する。
○ 二階建てバスの二階客室の座席は、前向きに設けられたものでなければならないところ、当該要件を廃止する。
○ その他、既に日本が採用している各協定規則について、項目の整理等に伴う改訂がなされたこと等を踏まえ、必要な改正を行う。

(2)装置型式指定規則の改正
「バッテリー式電気二輪自動車に係る協定規則(第 136 号)」の採用に伴い、相互承認の対象となる特定装置を追加等するため、第 2 条(特定装置の種類)及び第 5 条(指定を受けたものとみなす特定装置)の改正を行うこととする。

【改正概要】
○ 第 2 条(特定装置の種類)関係
「原動機用蓄電池」及び「感電防止装置」の対象に二輪自動車、側車付二輪自動車及び三輪自動車を追加する。
○ 第 5 条(指定を受けたものとみなす特定装置)関係
・「原動機用蓄電池」及び「感電防止装置」は「バッテリー式電気二輪自動車に係る協定規則(第 136 号)」に基づき認定されたものについて、型式指定を受けたものとみなす。
・「ポールとの側面衝突時の乗員保護装置」について、協定規則が改訂されたことに伴い、規則番号について所要の変更を行う。

3.スケジュール
公布・施行:平成 28 年1月 20 日