ユーグレナといすゞ他、次世代バイオ燃料の本格実証へ

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日本初のバイオディーゼル燃料製造実証プラントが完成し、本格的な実証運用に入る

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は11月2日、横浜市鶴見区の京浜臨海部に於いて日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを2018年10月31日に竣工。「横浜市」「千代田化工建設」「伊藤忠エネクス」「いすゞ自動車」「ANAホールディングス」「ひろしま自動車産学官連携推進会議」の協力の下、日本をバイオ燃料先進国にする『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』宣言を行った。

これを受け、同実証でバス車両の提供を担ういすゞ自動車は、2014年6月にユーグレナと微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の次世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた共同研究契約を締結。

『DeuSEL®(デューゼル)プロジェクト』の一環として、2019年夏より次世代バイオディーゼル燃料の供給を受け、シャトルバスとしての実証走行を行っていく。

いすゞはこれまで、ユーグレナ社が開発を進めてきたバイオディーゼル燃料を使い、藤沢工場と湘南台駅間のシャトルバスの定期運航による実証走行を進め、市販の軽油と同等の出力・トルク及び排気ガス性能を確保できることを確認していた。

併せて、いすゞは「GREEN OIL JAPAN」の啓蒙活動に沿って近隣小学校での環境授業といった啓蒙・教育活動を通じてバイオ燃料普及に向けた活動も引続き実施していく。

一方、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントも、2020年に向けた実用化計画が着実に進んでいる。具体的には2017年6月1日に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料の実証プラント建設に着工、2018年10月31日に竣工を迎えた。

ANAホールディングスでは、今回完成した実証プラントで製造する国産バイオジェット燃料での有償飛行を2020年までに実現させることを目指している。

対してバイオ燃料の開発を手掛けるユーグレナは、2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ミドリムシの食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したミドリムシ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行ってきた。

この過程で開発されたバイオ燃料は、既存の化石燃料と比べると理論上CO2排出量が少ない再生可能な液体燃料であり、欧米を中心に世界中でも普及が進んでいる。

但し従来型のバイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームといった作物を主な原料とするため、食料との競合や、森林破壊にともなう温室効果ガスの増加といった問題などが指摘されている。

ユーグレナが製造するバイオジェット・ディーゼル燃料は、ミドリムシ油脂や廃食油などを主原料とすることで、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさず持続可能性に優れた燃料となることが期待されている。

また同燃料は、化石燃料を使用している既存のエンジンに問題なく適用可能であり、水素や電気といった代替エネルギーへの移行に必要とされる多大なインフラコストも掛からないため、既存インフラの維持という面でも効率性が高いことから利用拡大に拍車が掛かる可能性がある。

バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの概要は以下の通り
場所:神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1(AGC株式会社 京浜工場内)
敷地面積:7,787.6㎡
製造能力:日産5バレル
製造量:年産125KL(試験の実施状況および保守の発生状況等により数量は変動)
製造品目:バイオジェット燃料、次世代バイオディーゼル燃料、バイオナフサなど
製造技術:Biofuels ISOCONVERSION Process(通称:BICプロセス)※Chevron Lummus Global / ARA社よりライセンス供与。
投資総額 :約58億円(神奈川県および横浜市からの助成含む)

①反応装置棟:原料(ミドリムシ油脂や廃食油)からバイオジェット燃料とバイオディーゼル燃料を製造する設備。
②バイオ燃料タンク:製造したバイオジェット燃料、ディーゼル燃料を貯めるタンク。
③貯蔵タンク:バイオジェット燃料、バイオディーゼル燃料をそれぞれ石油系燃料と混ぜた燃料を貯めるタンク。
④出荷場:完成したバイオ燃料を出荷する設備。
⑤事務棟:実証プラント内の遠隔操作や、実証プラント内の管理・運営をするオフィスが入る。
⑥用役設備:実証プラントに蒸気、圧縮空気など供給する設備。