トルコ国内企業5社、初の自国製乗用車の開発・生産を目指して合弁会社立ち上げへ


中東トルコに於いて同国内5つの企業が、トルコ初の国産乗用車生産のコンソーシアムに参加する。
具体的には当国現地時間の11月2日、アンカラ郊外の大統領公邸に於いてエルドアン大統領の他、同国の産業大臣らが出席。5社合わせて11万人の従業員を配するとされる「アナドール・グループ」、「BMC」、「クレイチャーホールディングス」、「トゥルクセル」、「ゾルル財閥」が合弁による自動車メーカー設立の調印を行った。

Photo:Recep Tayyip Erdoğan President( Credit:Minister-president Rutte )

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調印の席上でレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、今コンソーシアムへの参加企業に感謝の意を表明。合弁によって新たに誕生するベンチャー企業に対して、全面的な支援を約束した。

また新型車両のプロトタイプが来る2019年に用意されれば、私はその国内初の国産車を是非購入したい。また車両販売によって2021年頃に事業収益が得られるようになることに期待していると述べた。

この動きの発端は、トルコ商工会議所連合(TOBB)と同国の科学・産業技術省の合弁自動車プロジェクトに於いて、「昨年、我が国では75万台を超える海外ブランドの自動車が販売された。

そうしたなかトルコは、国産乗用車の開発・製造という分野に於いて、大きく立ち後れている。我々は今こそ自国の技術を結集すべきあり、この時期、初の国産乗用車の製造への道をためらうべきではない」とするエルドアン大統領の呼びかけから始まった。

また同大統領は、「近年、電気自動車やハイブリッド車、自動運転車など、世界の自動車業界は新しい時代に突入した。

そうしたなか我が国に新たに誕生する自動車メーカーは、喫緊の消費者ニーズを満たすためだけに留まらず、こうした未来のニーズを満たすことも求められるだろう。

必要であるなら、我が国はこの一大プロジェクトの進捗状況を監視し、その挑戦を全面的に支えていく。またこの挑戦によるブレークスルーを通じて、我が国は世界トップ10の経済のひとつになることができる」と付け加えた。

なお今プロジェクトに参画する5社のうちアナドール・グループは、いすゞ自動車と伊藤忠商事による「アナドールいすゞ」ブランドで輸送用貨物自動車の製造を共同運営しており、かつ韓国メーカー起亜の販売代理店と法人レンタカー会社も保有している。

また同国内で貨物車両を製造するBMCは、既に防衛産業用車両については75カ国への輸出実績を持っている。その他、参画企業では繊維、エネルギー、エレクトロニクス、通信分野など、国内のリーディングカンパニーが揃っている。

ちなみに同国内に於ける自動車販売全体の約6割が乗用車。その内訳は、日本の小型車にあたるBセグメント、またはCセグメントにあたる1.3~1.6L車が売れ筋。

残り4割は商用車となっている。メーカー別の勢力図では、ルノーが大きなシェアを占有し、これにヒュンダイ、フィアット、トヨタ、フォード、ホンダ、オペルと続いている。

このうち国内生産に関してはルノー、フィアットの2ブランドが牽引する。一方、商用車ではフォードも強く、フィアット、フォルクスワーゲン、ルノー、ヒュンダイに等で占められている。乗用車市場における輸入車の比率は7割に迫る勢いだ。

自動車全体の輸出入数値に関しては、年間で延べ200万台を国外へ輸出。約75万台を海外から輸入している。

同国の自動車販売業者協会(ODD)によると、2016年のトルコの国内自動車販売は、乗用車と軽商用車を合わせた総販売台数で前年比1.6%増の98万3,720台。生産・輸出共に過去最高値を記録している。

但し2016年11月の増税と通貨トルコ・リラ安の影響により2017年の販売台数実績は現段階では不透明だ。併せて独自の国産自動車の開発・生産となると、大きくはない国内市場だけで事業を充足する規模にはならず、高級車または普及車かで戦略の照準を定め国外に市場を開拓する必要性が生じるだろう。

一方で、経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は、国内人口が比較的若い人口構成比であること。そして直近または隣接するインドネシアやロシアなど他の新興国に比べ、比較的政情が安定しているところが強みとなっている。