3次元地図の「ヒア」、自動運転領域での覇権を見据え映像認識技術の「モービルアイ」と戦略提携へ


デジタル3次元地図情報サービスの「ヒア」(HERE、本社:ドイツ・ベルリン市、CEO:エザード・オーバーベック)が、欧州時間(オランダ・アイントホーフェン)の12月29日の午後。
映像認識分野で自動運転技術をリードする「モービルアイ」(Mobileye、本社登記:オランダ、アムステルフェーン、研究開発拠点:イスラエル・エルサレム、CEO:ジブ・アビラム)との戦略提携を発表した。

この「ヒア」は、北欧・フィンランドの通信企業「ノキア(Nokia)」を源流とするデジタル地図企業で、ノキアの携帯端末事業縮小に伴いスピンアウトして独立を果たした現在は、アウディ・BMW・ダイムラーによる独3社の自動車連合傘下にある。

一方、「モービルアイ」は、エルサレムのヘブライ大学・コンピューター科学教授アムノン・シャシュア氏(Amnon Shashua・共同創設者・会長)が、世界で先鞭を付けた映像認識技術で、今最もエキサイディングな自動運転車を支援するテクノロジー企業である。

具体的には、映像解析のエンジニアリング技術に関して当初、自動運転支援の先陣を切っていたモービルアイと、このヒアが協働する。

つまり既に地図データ企業としてトップシェアを持つヒアの3次元高精度地図による精緻な位置データと、モービルアイのリアルタイムによるカメラ映像の認識技術を融合させると云う。そしてこれにより自動運転時に於いて、既存のレベルを超える精緻な走行環境の把握と機械学習を実現していこうとするもの。

例えば、この両社の技術融合により、仮に双方のソリューションを搭載した自動運転車が現実に現れたとする。

この場合、搭載されたカメラで車両周辺の生の映像データを取り込み、周りを正確に把握・認識していくだけでなく、高速移動を通じて次々と表れる前方の情報を、ヒアが持つ3次元データで事前に詳しく察知。

これを組み合わせて学習を重ねることにより、リアルタイムに走行データを更新し続け、両社の情報蓄積をこれまでよりも数段高いレベルに引き上げる。そしてこのことを介して、自動運転の支援領域で、これまで以上に圧倒的な主導権を握っていく考えだ。

実際、ヒアとモービルアイの両社は、既に欧州を中核に双方が戦う市場で高いシェアを持っているが、追従するGoogleなど数多のライバル企業の他、完成車メーカーの技術的伸張を踏まえると、決して安穏としていられる状況ではない。

このためヒアは、中国で当地のデジタル地図大手の北京四維図新科技との合弁会社設立に動いており、これからはモービルアイとの欧米に於ける強固な経営基盤を足掛かりに、百度が主導権を握りつつある中国を筆頭とする東アジア地域市場の覇権を見据えているようだ。

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