ホンダジェット遂に日本の空へ。国内報道陣に初披露


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記者会見で、ホンダの「The Power of Dreams」を語る伊東孝紳社長

日本と欧州各地でのデモンストレーション飛行を予定

本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:伊東孝紳、以下ホンダ)は、同社の航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company, LLC、本社:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市、社長:藤野道格<ふじの みちまさ>、以降HACI)による小型ビジネスジェット機「HondaJet」のワールドツアー開始にあたり、4月23日(木)の午後、羽田空港に初飛来したHondaJetを公開し、同地のANA格納庫内に特設会場を設けて報道記者会見を行った。

なお、今回のワールドツアーでは、日本と欧州各地でのデモンストレーション飛行を予定しており、HondaJetは、13ヵ国以上を訪れ、ツアールートの総計は4万8,000kmを超える予定だという。

HondaJetは、同社のThe Power of Dreamsを体現する存在

同会見で、同社の伊東孝紳社長は「ホンダは、ヒトが移動時にご利用頂く乗りものを造るパーソナルモビリティの企業です。

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羽田空港の滑走路から、そのまま会見会場に引き入れられたHondaJet

二輪から始まったその歴史は、陸へ、海へと続き、次に残された空への挑戦。それは創業者・本田宗一郎の夢でもありました。

ホンダは、その夢の実現に向けて、ジェットエンジンと機体の両方を開発するという、いまだかつてないチャレンジを永きに亘って続けてきました。

GE Honda製の新世代ターボファンエンジン『HF120』を搭載したHondaJetは、性能や快適性において、小型ビジネスジェットの世界にまったく新しいスタンダードを切り拓いていくホンダの自信作です。

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加速等で競合に勝る世界最高峰の性能を誇るというホンダ製ジェットエンジンHF120、エンジンのOn Wing Life(エンジンが取り卸されるまでの使用時間)間隔も5000時間程とライバルより長く優れているという。

ホンダのコーポレートスローガンは「The Power of Dreams」です。お客様に自由な移動の喜びと、豊かで持続可能な社会を空においてもご提供し、二輪や四輪、汎用、ロボティクス、水素、そしてこの航空機といった、新しい技術に向かって果敢にチャレンジする、モビリティ・カンパニーでありたいと思っています」と述べた。

革新的な設計思想を携え、遂に航空業界への参入を果たす

ホンダの創業者、本田宗一郎氏は、1948年(昭和23年)に同社を創業して以来、「いつかは空へ羽ばたきたい」という夢を強く持ち続けてきた。

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同社の二輪車のエンブレムに付けられたウイングマークは、そうした想いの現れだ。

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4月20日にユジノサハリンスクから仙台空港へ到着した後、23日に羽田に飛来した。米国以外での機体公開は初のことだ。

そんな同社が初めて航空機事業への挑戦を宣言したのは1986年(昭和61年)のこと。初めて開発された小型実験機MH02は、1993年に飛行成功。それから22年余り、自社製エンジンに自社製機体を開発し、ホンダは遂に世界の空へと漕ぎ出すこととなった。

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現行の量産初号機の初飛行は、社員1000人以上が見守るなか2014年6月27日午前10時18分(日本時間27日午後11時18分)。米ノースカロライナ州グリーンズボロ市のピードモントトライアッド国際空港で実施された。

欧州ツアーを前にした日本国内では、4月25日から5月4日までHondaJetの一般公開を行う。

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デモンストレーション飛行や、地上展示などが行われる空港は全部で5つ。4/25仙台空港、4/26神戸空港、4/29熊本空港、5/2・3岡南飛行場(岡山)、5/4成田国際空港となっている。

果敢なチャレンジと夢の実現を目指す道のりはまだまだ続く

日本でのお披露目を終えた後は、欧州各国においてデモンストレーションを重ねていく予定だ。ワールドツアーは総計4万8,000kmを超えるツアールートとなり、HondaJetは、これから13ヵ国以上を訪問することになる。

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2015年2月、米ノースカロライナ州のHACI本社に、パイロット訓練用フライトシミュレーターを導入済み。具体的な同機(登録番号N420HE)の飛行特性を再現しており、多様な条件下のパイロット訓練を実施できるとHACI社長の藤野氏は語っている。

日本はもちろんだが、今後予定されている欧州ツアーにおいてもその殆どはHondaJet初公開の連続となる。しかし一方で、一機5億4000万円と云われるHondaJetだが、既に世界から100機以上のオーダーが入っているという。

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そんな欧州における最大の山場は、スイス・ジュネーブで5月19日から21日まで開催される欧州最大のビジネス航空ショーの「ヨーロピアン ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション(EBACE2015)」である。その後、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギーなどでデモンストレーション飛行やイベントを消化していく。

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HondaJetの開発責任者であり、開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野道格氏は、HondaJetのプロジェクト開始時からこの夢の実現に携わっている。

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量産体制は、ノースカロライナ州グリーンズボロの工場に整えてられており、納入開始初年度を筆頭に、翌年度、3年度へと順次生産を拡大するとみられる。ライバルに比べると後発の事業であるため、インフラとサービス体制の構築が今後の発展の鍵になるだろう。

その藤野氏は「HondaJetは、ビジネス航空機の世界に革新をもたらそうとするHondaのチャレンジ精神の表れです。

今回のワールドツアーでは、一人でも多くの皆様に見ていただければと思っています。また欧州各地ではHondaJetの速度や燃費の卓越性、そして欧州圏内の主要都市を結ぶのに最適な航続距離などを訴求していきたい」と語る。

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(左から)本田技研工業株式会社 取締役 専務執行役員 山本芳春氏、本田技研工業株式会社 代表取締役 社長執行役員 伊東孝紳氏、ホンダエアクラフトカンパニー・エルエルシー 取締役社長 藤野道格氏

ハードウエアとしての内容も知的好奇心をくすぐるもの

ちなみに夢ばかりではなく、現実にハードウエアとしてのHondaJetは、同クラスの従来機と比較して、17%の燃費低減と30%の室内空間の拡大を実現、クラス最高の速度と高度も達成している。

この機体造りの中心的存在である藤野氏は、航空宇宙分野で技術革新をもたらした個人に贈られる「ケリー・ジョンソン賞」を受賞したばかりでなく、同機開発を通して、航空機設計技術の進歩に大きく寄与したことも認められ、AIAA(米国航空宇宙学会)の「Aircraft Design Award」にも選出されている。

またHondaJetの最も特徴的なところは、主翼上面に設置されたエンジン配置と、そのジェットエンジンが載ったアルミ一体削り出し外板による極度に平滑な層流翼形状にある。

同機のようなエンジン搭載形態は、これまでの航空機設計の常識を覆す非常識なことなのだが、実際には、主翼上にエンジンを配置したほうが、気流の流れによる衝撃波を低減させられることをHACIは突き止めた。

加えて機体の胴体部分は、接合部を削減した一体成型による炭素繊維複合材をまとっている。しかも操縦席付近とと尾部付近は、複雑なハニカムを用い、キャビン部分はフレームとストリンガーを用いたいわばハイブリッド構造であり、世界最高性能を誇るといわれるジェットエンジンを併せ、非常に先鋭的な機体となっている。詳細は是非、HondaJetが披露される各空港で確かめてもらいたい。

ホンダの録画映像。1時間20分あたりから本編開始(全編153分)

SPEC
SIZE:全長1299mm × 翼幅1212mm × 全高4540mm
ENGINE:GE HONDA 製 HF 120 ターボファン
推力:9,119N(2,050ポンドフォース)× 2
バイパス比:2.9
最大巡航速度:真対気速度778km/h(420ノット)
最大巡航高度:13,106m(43,000フィート)
上昇率:1,216m/min(3,990ft/min)
航続距離:2,185km(1,180ノーティカルマイル)
離陸距離:1,219m(4,000フィート)以下
着陸距離:914m(3,000フィート)以下
定員:(標準仕様)乗員1名+乗客5名(乗員2名+乗客4名)
(最大仕様)乗員1名+乗客6名(乗員2名+乗客5名)
荷物室:1.87m3(66sq ft)
価格:450万ドル

「HondaJetワールドツアーin Japan2015」に関する情報は、HondaJetのWebサイトを確認されたい。(坂上 賢治)

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