ダイハツ工業の三井正則社長退任。新社長はトヨタ専務役員の奥平総一郎氏

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ダイハツ工業株式会社(本社:大阪府池田市、社長:三井正則、以下、ダイハツ)は、4月1日付および定時株主総会日付で役員体制の変更を行う。

この役員体制の変更により、ダイハツ生え抜き・技術者畑だった三井正則氏が社長職を退任し、代表取締役会長候補(決定は6月の第176回定時株主総会後となる)となる。なお新社長には、トヨタ専務役員の奥平総一郎氏が就任する予定だ。

先にダイハツはトヨタの持ち株会社となったものの、当面、独立した経営体制を続けて来た。しかしいよいよ今後は、トヨタから就任した新たな社長がダイハツを主導。これを踏まえた親会社の戦略造りのなかで、トヨタに認められる独自の立ち位置を模索していく段階に入った。

傘下入り当初、ダイハツの三井正則社長は、トヨタグループの下、「BMWグループ内に於けるMINIのような存在になりたい」と、自ら述べていたが、今後の動向はトヨタの戦略次第であり、現在、独自の車両開発から生まれたコペン等、個性を発揮したクルマをリリースし続けて来たその行く末は未知数である。

特に注視したいのは、国際的な自動車市場に於いての中長期的な見方で、そこでは現在、ダイハツが生産している軽自動車の位置付けに着目したい。

永い目で見て、国内で現存する乗用車メーカーとして最も旧い「ダイハツ」ブランドの消失は、トヨタグループ全体にとっても賢い選択ではない。

ただし場合によると、立場こそ違うが軽自動車の独自生産から潔く撤退した富士重工業のような「選択と集中に基づいた」経営選択も、現在のトヨタのアライアンス戦略を考えた場合、充分にあり得るシナリオである。

一方トヨタとしては、コンパクトカー造りで蓄積してきたダイハツのノウハウを活かしつつ、グループのアライアンス全体としてアセアン地域並びに、未だ本格進出に至っていないアラブ以東のアフリカ市場、さらに南米市場を含めて、独自の役割を持たせるなどのシナリオも考えられる。

つまるところトヨタ傘下に於いて、MINIのような立ち位置と自由度、並びに独自性を得られるかは、新社長就任の話題以前に、ダイハツ在籍の技術者を筆頭とする社員達の短期で結果を出していく今後の取り組みと、経営視点に立った意識付けに掛かっていると言えそうだ。

なお奥平 総一郎(おくだいら そういちろう)氏は、1956年4月19日・愛媛県生まれ。東京大学工学部卒業後、トヨタ自動車工業株式会社(当時)している。

トヨタ入社後の奥平氏の主な経歴は以下の通り。

昭和54年4月:トヨタ自動車工業株式会社(現・トヨタ自動車株式会社)入社
平成14年1月 :第2開発センターチーフエンジニア
平成15年6月 :第2トヨタセンターZEエグゼクティブ チーフエンジニア
平成20年6月 :常務役員就任
平成23年4月 :技術統括部統括
平成23年4月 :東富士研究所管理部統括
平成23年4月 :第2技術開発本部本部長
平成24年4月 :第1技術開発本部本部長
平成24年4月 :東富士研究所所長
平成25年4月 :専務役員就任(現在に至る)
平成25年4月 :技術開発本部本部長
平成26年4月 :トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社取締役副会長兼社長(現在に至る)
平成26年4月 :トヨタ自動車株式会社中国Chief Technical Officer(現在に至る)
平成26年4月 :アジアChief Technical Officer(現在に至る)
平成26年4月 :オセアニアChief Technical Officer
平成29年6月 :ダイハツ工業株式会社 取締役社長(予定)

また以下は第176 回定時株主総会後の取締役、監査役の体制(候補者)についての概要となる。

第 176 回定時株主総会後の取締役候補等の選任については、第176回定時株主総会の承認を経て正式決定される。退任予定取締役・監査役については、第176回定時株主総会日付で退任となる予定。(以下敬称略)

1.新任代表取締役会長候補
氏名:三井正則
現役職:代表取締役社長

2.新任代表取締役社長候補
氏 名:奥平 総一郎
現役職:トヨタ自動車㈱ 専務役員*
* … 4 月 1 日付 同社顧問就任

3.退任予定取締役(2名)
氏名:スディルマン・ママン・ルスディ
現役職:取締役 *1

氏名:吉武一郎*2
現役職:取締役(専務執行役員)
*1 … 非常勤
*2 … 3 月 31 日付で退任

4.役付執行役員の変更
氏名:中脇 康則
新役職:専務執行役員
現役職:取締役(専務執行役員)

5.新任予定常勤監査役
氏名:別所 則英
現役職:上級執行役員

6.退任予定常勤監査役
氏名:守田 邦彦
現役職:常勤監査役

第 176 回定時株主総会後の取締役、監査役の体制(候補者)