ソフトバンク、半導体設計大手のARMの全株式を3.3兆円で買い付けてグループ傘下に加える

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ソフトバンクグループ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:孫 正義)は英国現地時間の7月18日、英国・半導体設計企業のアーム・ホールディングス(ARM Holdings・本社:英ケンブリッジ、CEO:Simon Segars)の発行済み株式及び、発行予定株式の全てを現金で買い付けると発表した。

1株あたりの取得価格は1,700ペンス(17ポンド)と、7月15日の市場終値(11.89ポンド)に約43%上乗せした額としている。

これによる買付総額は、都合およそ243億ポンド(約3.3兆円)となり、日本企業による海外でのM&A(合併・買収)としては、過去最大規模となった。

またこの投資案件は、既にソフトバンクグループ内の取締役会で承認されており、ARM経営陣の支持も取り付けている。

今後は、株主及びイングランド裁判所の承認を経て、今後9月30日までの買付完了を目指して完全子会社化する予定としている。

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買収資金の運用は、みずほ銀行の借入限度額1兆円のつなぎ融資(ブリッジローン)と手元資金で賄い、タイミングを見ながら長期資金へ切り替えていくと内容のリリースを、日本国内時間の7月18日付けで発表している。

ソフトバンクは、先に中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング株の一部に加え、フィンランドのスマートフォン向けゲーム会社スーパーセル、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの売却等で、2兆円に近い手元資金を有していた事から、その使途を巡り株式市場に於いて大型買収の可能性が語られてきた。

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ソフトバンクは、今回のARM Holdingsの買収により、世の中の全てのものがインターネットに繫がっていくIoT(インターネット・オブ・シングス)時代への急速な流れを見据え、半導体設計分野で、この領域を事実上制覇している同社を傘下に置くことで、AI・スマートロボット・IoTの3領域で世界の主導権を握っていく考え。

ちなみにこれまでARM Holdingsが生み出してきたテクノロジーは、世界の主要なOEM(Original Equipment Manufacturers)を介して様々なアプリケーション環境下で使用されている。

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それは、携帯電話やデジタル セットトップ ボックスのようなコモデティ分野に留まらず、自動車のブレーキシステムや、ネットワークルータ領域でも広く・深く利用されている。

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今日、ARMテクノロジーは、スマートフォンの95%、デジタル カメラの80%の他、世界の電子デバイスの35%で使用されるに至っており、短・中期的視野に於いては自動車業界に於いても、ソフトバンクグループの影響力が及ぶことになりそうだ。

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なおソフトバンクの発表資料による、ARM Holdings買収が果たす利益と成長要因は以下の通り。

(1)知的所有権を背景としたライセンスの提供、及び半導体企業の研究開発受託市場でのグローバルリーダーの地位をサポートすることで、双方の経営環境をさらに強固なものにできる。
(2)ARMのイノベーションへの傾注による技術の伸張に伴い、独自の強みを今後も維持していける。
(3)ARMが次なるイノベーションの波を起こすための投資を、さらに拡大させることができる。
(4)互いの企業に於いて、共通の文化と長期的視野がある。
(5)科学技術分野に於ける英国の先導的地位を維持し、成長させることができる。

併せてARMのステークホルダーに向けては、組織と本社機能を維持を約束。英国に於ける同社の雇用を今後5年間で倍増させる等の意思を表している。

ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は、日本時間の18時15分から記者会見を行い、「当社は、世界的に名高いテクノロジー企業であり、この分野における圧倒的マーケットリーダーであるARM Holdingsを高く評価してきました。

今回の投資の目的は「IoT」がもたらす重要なチャンスを掴む事にあり、ARM Holdingsは当社グループ内戦略に於いて今後、重要な役割を果たしていくでしょう。

また当社は、ARM Holdingsへ大して単に投資するという事だけでなく、経営陣を支援し、戦略を加速し、上場企業として現在考えられる以上の潜在力を引き出すことを目指します。

なおARMは、当社グループ内に於いて独立した企業として、引き続きケンブリッジを本拠地として事業を行ないます。

本件買収は、当社にとってこれまで行なってきた買収案件の中でも最も重要なもののひとつであり、今後、ARM Holdingsが当社の成長戦略の重要な柱となることを期待しています」と述べている。