ポルシェ製最先端レーシングマシンのドライビングテクニックとは

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919ハイブリッドのステアリングホイールなど、複雑なコクピット操作で知るレーシングドライバー達のマルチタスク作業

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)のドライバーたちは、FIA世界耐久選手権(WEC)において、ポルシェ919ハイブリッドをこれまでに培ってきた経験に基づき、身体能力のすべてと強い精神力、そして直感を生かして最新鋭レーシングマシンを制御していく。

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足元ではそのための基礎的なテクニックのひとつであるヒール・アンド・トウを駆使。ただしポルシェのワークスドライバーには、ブレーキングに左足を使用するドライバーもいれば、アクセルとブレーキを右足で踏み替えることを好むドライバーも存在している。

一方でコンピューターを操作する両手の作業はもっと複雑だ。車をドライバーの意図する方向に向けることは、ステアリングホイールの機能の中で、もはやごく一部の役割でしかない。

複雑なレーシングカーを制御するために、ドライバーは前面の24個のボタン/スイッチ、裏面の6個のパドルを操作する。

ボルシェでは、2016年シーズンに向けてレーシングスピードにおいて信頼の置ける高い操作性をさらに向上させるために、ドライバーの協力のもとステアリングホイールのボタン/スイッチの配置の見直しが図られた。

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ちなみにル・マンにおける最高速度は340km/hに達っする。従って幾つかの制御機能は、ステアリングホイールにスペースがないためダッシュボードに移さなければならなかった。

ドライバーチェンジの際にスペースが必要なため、ステアリングホイールは丸形ではなく長方形となっている。

特にマーク・ウェバーやブレンドン・ハートレーのような長身のドライバーは、この形でないと長い脚を迅速に収めることができない。

中央には大型ディスプレイがあり、速度、現在のギア、エンジンマネージメント、およびリチウムイオンバッテリー残量(前輪を駆動するためにどのくらいの電気エネルギーを使用できるか)など多数の情報が表示される。

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フロントアクスル上の電気モーターは、後輪を駆動するターボチャージャー付2リッター4気筒エンジンを補完。左上のコントロールボタン(DISP)は、表示された情報を選択するために使用していく。

最も頻繁に使用されるボタンは、親指が届く上部外側に沿って配置されており、右上のブルーボタンは常時使用される。

これはWECで高速走行時のマシンが他のクラスのマシンを追い抜く際にヘッドライトを点滅させるパッシングボタンである。

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1回押すと、ヘッドライトが3回点滅。日中にはヘッドライトの合図に気付くことがさらに難しくなるので、ドライバーは親指を常にここに置くことになる。

左上のレッドボタンも頻繁に使用される。これは、バッテリーから電力を供給して “ブースト”をかけるために使用するもの。

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ブーストを使う事で、追い抜きが可能になる訳だが1周あたりに使用できるエネルギー量が規定されているため、ドライバーはパワー配分に注意を払う必要がある。

基準はル・マンの場合1周あたり8MJで、この数値はサーキットの長さによって変わる。ドライバーが周回の途中でエネルギーを消費すると、終盤で使えなくなる。

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ディスプレイ左右下部のロータリースイッチ(TC/CONとTC R)は、トラクションコントロールのプリセット用だ。

エンジンとハイブリッドの各設定を調節するには、上部2段のライトイエロー(TF-とTF+)とブルー(MI-とMI+)のボタンを使用する。その下には、フロントとリア間のブレーキバランスを分配するピンクの+と-ボタン(BR)がある。

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左側のグリーンボタン(RAD)は無線、右側のグリーンボタンは、ピットからの指示に対して、内容が確認できた場合に押すOKボタンだ。

双方向のテレメトリーは禁止されており、エンジニアは、受信データを基にしたドライバーへの情報の提供と指示を除き、積極的な介入はできない。

次の段の左側にあるオレンジボタン(DRINK)はドリンクボトルを操作し、右側ボタン(SAIL)は、エンジンで加速せずに燃料を節約するセーリングモードを作動させる。

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左側のゴールドボタン(PIT)を押すと、ピットレーンのスピードリミッター(60 km/h)が作動する。右側のボタン(FCY)は、全ての車が80km/hまでスローダウンしなければならない“フルコース・イエロー”宣言時用のスピードリミッターである。

中央のロータリースイッチ(MULTI)は、ステアリングホイール上部外側の2つのコントローラーに対応している。

例えば、レースエンジニアが“Alpha 21”設定を要求した際、ドライバーはロータリースイッチで“A”を選択してから左側レッドコントローラーで“2”を選択し、右側ダークグリーンコントローラーで“1”を選択してOKボタンを押す。

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このような組み合わせによって、エンジンマネージメントやフューエルマネージメントのプログラムを指定していく。グリーンのロータリースイッチ(RECUP)はエネルギーリカバリーマネージメント用だ。

最下段の中央にはエンジンのオン/オフスイッチ(Start/Kill)がある。ステアリングホイール中央の残りの2つのコントローラーは、ブースト時のエネルギー量の決定(B – 左側ゴールド)と、エンジンプログラムの選択(S – 右側ブルー)を提供する。

スイッチには、暗闇でも容易な識別を可能にするため、ドライバーのヘルメット上に設置されたブラックライトに反応する蛍光カラーが使用されている。

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ステアリングホイールはカーボン製で、グリップハンドルは滑り止めラバーで覆われている。

パワーステアリングシステムによって、比較的狭いグリップでもドライバーは容易に操作することができ、開口部を通してステアリング裏側の6個のパドルを指で操作する。

中央のパドルは、シフトチェンジ用で、右を引くとシフトアップ、左を引くとシフトダウンする。

最下部のパドルはクラッチ操作用である。最上部はブースト操作用で、ドライバーはこのパドルかステアリングの前述ブーストボタンの好きな方を使うことができる。

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ステアリングホイールをこれ以上大きくすることができないため、全ての操作機能を設けるスペースがない。

そのため、いくつかの変更はダッシュボードに手を伸ばして行う必要がある。夜間のディスプレイライトの調節、フロントウィンドウワイパーの速度調節、無線の音量調節、ギアボックスをニュートラルにする“N”ボタンもダッシュボードに設置されている。

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