ボルボS60ポールスターTC1、2017年のWTCC参戦体制発表。3カ年計画を前倒し3台体制へ


ポールスター・シアン・レーシングはタイトル獲得を目指し、シアン・モータースポーツ・センターを21億円を投じて設置

ボルボS60 ポールスターTC1を駆り、昨年からFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に本格参戦したボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)傘下のポールスター・シアン・レーシングチームは、2017年シーズンでの新体制と強化計画を発表した。

ポールスター・シアン・レーシングは、かつて2016年シーズンの参戦にあたり、1年目を知識や技術の習得。2年目にレースでの優勝。そして3年目に世界タイトルの獲得を目標とする3ヵ年計画を発表していた。

そうしたなか昨年9月25日、上海インターナショナルサーキットで行われた第10戦のオープニングレースでエースドライバーのテッド・ビョーク(スウェーデン)が勝利を飾って、目標を1年前倒しで達成した。

そのため、チームはさらに目標を上げ、2年目となる2017年シーズンにおいて世界タイトルの獲得を目指すことにした。

また、昨シーズンのレースカー2台体制から3台体制へと増強。ドライバーに、昨年9月4日にツインリンクもてぎで行われた日本ラウンドでの走りで鮮烈な印象を残したネストール・ジロラミを加えた。

新体制についてポールスターのモータースポーツ部門の責任者、アレクサンダー・ムルドゼフスキー・シェドビン氏は、「ポールスター・シアン・レーシングはテッド、ネストール、ニッキーという3名のドライバー陣の下に万全な準備を整え、チームとしての能力をいかんなく発揮することでしょう。

これまでにない強豪チームが揃う中、一年前倒しとなった目標の達成が容易であると楽観視しているわけではありません。

それでも、我がチームの今年の大きな目標が世界タイトル獲得であることに間違いはありません」と語った。

STCC(スカンジナビアン・ツーリングカー選手権)チャンピオンの座に4度輝いたテッド・ビョークは、昨シーズン上海で行われたレースでポールスター・シアン・レーシングに初のWTCCでの勝利をもたらした。

2017年も引き続き同チームのエース・ドライバーを務め、新たな強化計画における中核を担う。なお、このテッド・ビョークに加え、新たに2人のドライバーが加わることとなった。

そのひとりは、アルゼンチンのスーパーTC2000で、2度のチャンピオンとなったネストール・ジロラミ。

昨シーズン、ポールスター・シアン・レーシングのドライバーとしてツインリンクもてぎでの日本ラウンドに参戦したのを契機に正規ドライバーのポジションを獲得した。

ふたりめは、オランダ人レーサーのニッキー・カツバーグで、ポールスター・シアン・レーシングでは新人ながら、2015年からWTCCに参戦しており、過去に優勝経験もあるドライバーである。

今季参戦を果たした各ドライバーのコメントは以下の通り

テッド・ビョーク
「WTCCに本格参戦した1年目で初勝利を飾ったことは驚くべきことで、新シーズンに向けて大きな自信を与えてくれました。今年は新しい、そしてより高い目標を設定しています。

オフシーズンのテスト走行は非常に有意義なもので、シーズン開始前にこれほど走ったことはありませんでしたが、世界タイトル獲得に向けた準備は万全だと感じています。

またネストールとニッキーが仲間入りしてくれたことを非常に喜ばしく思っています。二人とも非常に速い優秀なプロフェッショナル・ドライバーです」

ネストール・ジロラミ
「ポールスター・シアン・レーシングのメンバーに加われることを大変うれしく思っています。

昨年このチームでレースに参加できたことは私にとって大きな励みとなり、またチームにうまく溶け込めたと感じました。

チームのメンバー、そしてテッドとニッキーと共に、今シーズンはさらに飛躍したいと思っています」

ニッキー・カツバーグ
「2016年は対戦チームの一員としてポールスター・シアン・レーシングの活躍に注目していました。今回このチームに加入できることをとても光栄に思います。

このチームの昨シーズンの成績は目を見張るものでした。2017年シーズンは高い目標を達成すべく、テッドとネストールと共にすばらしいパフォーマンスをお見せしたいと思います」

なおポールスター・シアン・レーシング・チームは、2016年のシーズンが終了した昨年11月より、南欧のサーキットにて最高出力400PSのボルボS60ポールスターTC1レースカーのオフシーズンテスト走行を精力的に行ってきた。

加えて、スウェーデンのイェーテボリに1800万ユーロ(約21億円)をかけて新設されているシアン・モータースポーツ・センターPaul Starも、チームの参戦準備を後押しする。

3月に完成予定の同施設は、スカンジナビア地域で過去最大となるモータースポーツ・プロジェクトである。

ワークショップは6,000平方メートルを超え、F-1標準シミュレータ、大規模動力計、シャーシおよびエンジン設計室・製造施設をはじめ、WTCCタイトル獲得への挑戦に必要なあらゆる部門と設備が用意されている。

これらの新体制についてシアン・レーシングCEOのクリスチャン・ダール氏は、「これは長年積み重ねてきた大きな努力の結果であり、私たちがスカンジナビアにかつてないレベルのモータースポーツ産業を立ち上げることを誇りに思っています。

同センターの設備は2017年のWTCCタイトル挑戦に欠かせない役割を担うものですが、もちろんそれだけではありません。

試験プログラムは計画どおりに進んでおり、S60ポールスターTC1レースカーの開発においても重要な一歩を踏み出しました」と述べている。

WTCCとポールスター・シアン・レーシングの詳細(英語):  

2017年WTCCカレンダー
プレシーズン試験走行会:3月14、15日/モンツァ(イタリア)
第1戦 :4月9日/マラケシュ(モロッコ)
第2戦:4月30日/モンツァ(イタリア)
第3戦:5月14日/ハンガロリンク(ハンガリー)
第4戦:5月27日/ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(ドイツ)
第5戦 :6月25日/ヴィラ・レアル(ポルトガル)
第6戦:8月6日/テルマス・デ・リオ・オンド(アルゼンチン)
第7戦:10月15日/上海(中国)
第8戦:10月29日/茂木(栃木、日本)
第9戦:11月19日/マカオ(中国)
第10戦:12月1日/ロサイル(カタール)

ドライバー
テッド・ビョーク (Thed Bjork)
スウェーデン出身
1980年12月14日生まれ
[経歴]
2015年:STCCチャンピオン
2014年:STCCチャンピオン
2013年:STCCチャンピオン
2012年:TTA第3位
2011年:カメオ・カップ(スウェーデン)チャンピオン
2009年:STCC第2位
2008年:STCC第3位
2006年:STCCチャンピオン
2005年:STCC第2位
2003年:GTR(スウェーデン)チャンピオン
2001年:FIAスポーツカーSR2チャンピオン
1999年:スウェーデン&ノルディックF3チャンピオン

ネストール・ジロラミ(Nestor Girolami)
アルゼンチン出身
1989年5月22日生まれ
[経歴]
2015年:スーパーTC2000チャンピオン
2014年:スーパーTC2000チャンピオン
2012年:スーパーTC2000第3位
2006年:フォーミュラ・ルノー1.6(アルゼンチン)第2位

ニッキー・カツバーグ(Nicky Catsburg)
オランダ出身
1988年2月15日生まれ
[経歴]
2012年:オランダGT選手権第3位
2010年:メガーヌ・トロフィー欧州選手権チャンピオン
2006年:フォーミュラ・フォード(ベネルクス)チャンピオン
2005年:SEATクプラ・カップ第2位
2004年:オランダ冬季耐久シリーズ第3位

ボルボS60ポールスターTC1 主要諸元
エンジン:4気筒、1595cc、ボルボDrive-Eパワートレーン
駆動方式:前輪駆動
最高出力:400 HP
最大回転数:8500 rpm
トランスミッション:6速シーケンシャル
サスペンション:マクファーソンタイプ(フロントおよびリア)、オーリンズ調節式ダンパー
ホイール:18インチ、5ボルト
ボディ:スチールおよびカーボンファイバー製
重量:1100 kg

ポールスターはボルボ・カーズのパフォーマンスブランド。1996年にモータスポーツチームとして設立されたポールスターは、各種のボルボ モデルでレースに出場し、数多くの選手権で成功を収めてきた。

ポールスターは、2009年にパフォーマンス関連の製品を提供し始めると、それをきっかけにボルボ・カーズとの業務関係を強化した。2014年には、ボルボS60とV60をベースにした初めてのコンプリートカーを発売している。

これを踏まえボルボ・カーズは、確かなパフォーマンスを提供するという積極的な目的。そして車両のパフォーマンス向上を目指し、2015年にポールスターのパフォーマンス部門を買収した。

シアン・レーシングはポールスターのモータースポーツパートナーである。クリスチャン・ダール氏が所有し、ポールスターの全てのモータースポーツ事業を運営している。

過去にポールスター・レーシングと名乗っていたシアン・レーシングは、ボルボ850、S40、C30、S60によって、5回のSTCC(スカンジナビアツーリングカー選手権)ドライバーズタイトルと7回のSTCCチームタイトルを獲得している。