ホンダと日立オートモティブシステムズ、電動車両用モーター事業の合弁会社設立で基本合意

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日立オートモティブシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区大手町、本店:茨城県ひたちなか市、社長執行役員&CEO:関 秀明、以下、日立オートモティブシステムズ)と、本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)の両社は2月3日、電動車両用モーターの開発、製造および販売を事業として行う合弁会社設立を目的とした基本合意書を締結した。

日立オートモティブシステムズ株式会社のWebサイト

今後は、両社で協議を進め、新会社設立に向けて具体的な協議を開始していく。

1999年よりいち早く電動車両用のモーターを市場に投入し、技術力と商品力を磨いてきた日立オートモティブシステムズは、これまで小型・軽量化、高出力化を推し進めた電動車両用モーターを国内外の自動車メーカーに数多く納入してきており、その製品性能や生産技術は業界から高い評価を得てきた。

1999年にホンダ初のハイブリッド車となった「INSIGHT(インサイト)」

一方でホンダは、1999年にホンダ初のハイブリッド車となる「INSIGHT(インサイト)」を発売して以来、電動車両ラインアップ拡充をめざすと共に、電動車両の基幹部品であるモーターの自社技術力と生産力の向上に努めてきた。

1999年にホンダ初のハイブリッド車となった「INSIGHT(インサイト)」

しかし今後、グローバル規模で強化されていく環境保全対策や環境規制の潮流の中で、電動車両市場はさらなる拡大が見込まれており、そうしたなか今回、自動車メーカーとサプライヤーの協業により、技術的なシナジー効果やスケールメリットを創出。

電動車両システムの中核を構成するモーターの競争優位性の確立に併せ、互いの事業基盤を堅固とすることを目指して基本合意に至ったもの。

両社が新たに国内で設立を目指す合弁会社は、アメリカ合衆国と中華人民共和国にモーターの製造と販売を行う子会社の設立を計画中だ。

この新会社は、ホンダ外の自動車メーカー各社からの需要にも広く応えていくことで、グローバルでのモーター供給拡大を目指して行く構え。

この新会社設立の動きと並行して、日立オートモティブシステムズ自体は、現在、自社製モーターの取引関係を有する自動車メーカーとのビジネス環境は継続していくことにしていると云う。

ホンダは昨夏、重希土類完全フリー(不使用)のネオジム磁石を使用し、ハイブリッド車用駆動モーターを世界で初めて実用化している。

なおホンダのモーター開発並びに生産に関しては、昨夏、大同特殊鋼の完全子会社である株式会社ダイドー電子(本社:岐阜県中津川市、社長:稲垣 佳夫)のネオジム磁石を活用。

ホンダ自身の駆動モーター開発の経験を活かし、磁石形状を見直すなどで、重希土類元素を全く使用しないハイブリッド車用駆動モーターを世界で初めて実用化するなど、確かに技術レベルは高い。

ホンダは、こうした現在製造している自社製モーターに新会社から供給を受けるモーターを加えることで、さらなる国際競争力の向上を目指す。

ちなみにホンダは、先(米国時間の1月30日)に、米ゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)と、水素燃料電池システムの心臓部の量産を行う合弁会社「フューエルセルシステム・マニュファクチャリング(FCSM)」の設立を発表しており、今回の動きはこれに連動した動きの一環に見える。

これまでホンダを筆頭に、国内自動車メーカー各社は「技術」も「生産(ものづくり)」も、自前主義を貫いてきたが、トヨタ自動車に於いてもサービスの共同開発先の公募など、オープンイノベーションを強化している。

またホンダは昨年、都内に研究拠点の開設を宣言する以前より、シリコンバレーでの研究開発部門を設立するなど、ベンチャーとの接触を介して、自動運転につながる車両開発などの新分野に関して、オープンイノベーションへと舵を切り始めているのだろう。

場合によっては今後、サービスケースや製品内容次第ではあるが、中核部の開発並びに設計の核心部は握りつつ、製品化に向かう道程で広義のファブレス化に向かう流れさえ、垣間見えてくる。

特にホンダは、創業者の本田宗一郎氏以降の伝承もあって、これまで自前色が強かったが、こうした動向から業界に押し寄せる変化の大きさが浮き彫りになってきている。

合弁会社の詳細は協議中であるが、およその概要は以下の通り

1.合弁会社の概要(予定)
(1)名称 : 未定
(2)所在地 : 茨城県ひたちなか市高場2520番地
(3)代表者 : 未定
(4)事業内容 : 電動車両用モーターの開発、製造および販売
(5)資本金 : 50億円
(6)設立時期 : (予定)2017年7月
(7)出資比率 : 日立オートモティブシステムズ株式会社 51%
本田技研工業株式会社 49%

2.今後の日程
合弁会社設立に関する契約締結 : (予定)2017年3月末

会社概要
日立オートモティブシステムズ株式会社
本社 : 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
事業内容 : 自動車部品および産業用機械器具・システムの開発、製造、販売およびサービス

本田技研工業株式会社
本社 : 東京都港区南青山二丁目1番1号
事業内容 : 輸送用機器(二輪車、四輪車、汎用製品など)の製造、販売

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