ホンダ、量産型「シビックTYPE R」に加え、欧州販売の約7割を電動車に置き換える新構想を発表

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本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:八郷 隆弘、以下、Honda)の英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッド(本社:バークシャー州ブラックネル、社長:井上 勝史)は英国時間3月7日、ジュネーブモーターショーで新型「CIVIC(シビック) TYPE R」欧州仕様の量産モデルを公開し、さらに欧州における同社の電動化ビジョンを発表した。

まず新型シビック TYPE Rは、サーキットでの走行性能に加えて、一般公道でのグランドツアラー性能を大幅に進化させた次世代のTYPE Rを目指し開発された。

パワートレインには、進化させた「2.0L VTEC TURBOエンジン」を採用。先代TYPE Rを凌ぐ最高出力320馬力と最大トルク400N・mを達成している。

また、6速マニュアルトランスミッションには、変速操作に合わせてエンジンの回転数が自動で調整されるレブマッチシステムを新たに採用。

これにより変速時のアクセル操作が不要となり、よりステアリングやブレーキに集中した運転が可能になっている。

加えてリアサスペンションにマルチリンク式を新たに採用したことや、高剛性化を図った新プラットフォーム、20インチタイヤの採用、ホイールベースおよびトレッドの拡大、重量配分の最適化などに加え、エアロダイナミクス性能をより高めたエクステリアデザインなどにより、運動性能を大幅に向上させている。

さらにコンフォートモードを追加したことで3パターンより選択可能となったドライビングモードによって、市街地からサーキットまで、より幅広い走行シーンにマッチしたダイナミック性能を提供していくと云う。

この新型シビック TYPE Rは、ホンダオブザユー・ケー・マニュファクチュアリング・リミテッド<Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.>で生産され、2017年夏より欧州と日本・北米を含む世界各国で販売を開始する。

併せて同社は、リリース車両の電動化計画に関して、欧州に於ける新たな電動化ビジョンを打ち出した。

具体的には、ホンダのグローバル環境下に於ける電動化目標は着実に進めながら、欧州地域については、さらに5年先駆けた2025年を目処に、欧州四輪商品ラインアップ(販売数)の3分の2を、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、バッテリーEV、燃料電池といった電動化車両に置き換えていくと宣言した。

同社では、「欧州がホンダの電動化戦略の先兵となるべく、2018年発売予定のHondaとして欧州初となる2モーターハイブリッドシステム搭載モデルをはじめに、電動化車両を欧州のお客様にお届けしていきます」と語っている。

ちなみにこれは、ホンダにとって先のGMとの協業により、米国内に於ける電動化車両開発並びにリリースに関して、一定の体制が整い始めたこと。

さらに昨今の政治状勢を踏まえ、米国に於いて環境車両への意欲がごく短期間ながら一時的に停滞傾向にあることも影響しているものと考えられる。

一方、欧州域内に於いては、当地に於ける不動の首位を目指して動き始めたPSAに対して、これを迎え撃つVWなど、次世代車を目指した技術開発が急速に活発化してきている。

これを見据えて、ホンダは同地域に於ける立ち位置を、より確かなものとしたいとする思惑があると見られる。

実際、先月の1月に独・マインツで開催された車両電動化と車載用電池に関する国際会議「AABC(Advanced Automotive Battery Conference)Europe」では、欧州地域の自動車メーカー各社の参加者で活況を極めた。

その動きは先のVWやPSAだけでなく、ダイムラー、BMW、ルノーを筆頭に、日本のパナソニック、韓国のサムスンSDIやLG化学、中国CATLなど蓄電ユニットの関連メーカー。

そしてバッテリーマネジメントシステムのコントロール領域では、独ボッシュを筆頭にZFやコンチネンタル、日本のデンソーと、系列を超えた技術革新の競争が巻き起こっている。

ちなみにこうして欧州自動車市場に関わる各社の電動化への取り組みが、ことさら熱心な理由のひつとには、成長著しい対輸出市場として、欧州企業各社が期待する中国に於ける状況も影響している。

と云うのは中国当地に於いては、読者も既知の通りだと思うが、かつての高度成長期の日本と同じく中国国内での環境汚染が深刻化。

このため当地で強化され続けている環境規制策に伴い、より長距離をEVユニットで走ることが可能な電動駆動を主力とする車両に対して政府の補助金制度が手厚くなる傾向にあるからだ。

加えて、さらに永い目で見た場合、中長期的にはカリフォルニア州のZEV規制を筆頭に、米国での環境規制も大きく・強く強化されていく流れは同じだ。

つまり当面、電動化への流れの速い欧州での車両適用化ノウハウを温め、以降これを糧に中国・米国へと技術革新が進む中で、独自技術を育て上げ、世界の電動化競争にキャッチアップしていきたい意向があるのだろう。